2008年度マシン紹介
商品性 - High Merchantability
私たちは商品としてより魅力的なレーシングカーを作り上げることを追求し続けています。アマチュアドライバーがレーシングカーに求めるものは人間工学、ドライバビィリティ、そして品質です。私たちは車両を設計するにあたり、ドライバーの要求を考慮することはもちろんのこと、製造者の要求も実現することにより、高いレベルのレーシングカーを商品として提供することを可能としています。
人間工学
ドライバーが無理なくより運転しやすい環境を提供するために、人間工学に基づいた車両設計を行いました。今年度車両において行った代表例を以下に挙げます。
運転姿勢
ドライバーの運転姿勢については、設計時に95th maleを3Dモデルに配置しての居住性の確認を行いました。また、1/1車両フレーム模型を制作し、シートを合わせることで、あらかじめステアリングホイールやペダルユニットの位置・角度決めをし、よりドライバーが運転しやすい環境を実現しました。
ペダルユニット
ドライバーが運転しやすいように、ペダルユニット位置の調整機構を設けました。これによりドライバーの体格に合わせた位置の調整が可能となりました。
ドライバーシート
ドライバーのホールド性を向上させるためにドライバーの体格に合わせながら整形し、軽量のCFRP製のシートを製作しました。シートの軽量化だけでなく、シートの裏にファイヤーウォールを付与することでドライバーの安全性も兼ね備えたシートとなっています。
ドライバーコックピット
ステアリングホイールへエンジンの運転状態を示すメーター(回転数、水温、油圧、燃圧等)や操作系スイッチを集中させることにより、ドライバーの動作や視点移動を最小限に抑えることに成功しました。
ドライバビリティ
私たちは「ドライビングプレジャー」、つまり運転する喜びを得るためには、ドライバビリティという要素が必要不可欠であると考えています。私たちは全てのドライバーに対して、高いドライバビィリティを提供することが可能です。そのために、以下のような機構や工夫を採用しています。
パフォーマンスダンパー
パフォーマンスダンパーはフレームの振動を吸収し、走行安定性が向上します。これにより、乗り心地が大幅に改善され、車両挙動がしなやかになり上質な走りを実現できます。
広範囲なセッティング
ショックアブソーバーのスプリング交換、減衰調節や前後スタビライザーの変更による1000通り以上のセッティングが可能となり、ドライバーの好みにより細やかな変更が可能です。
ブレーキシステム
ブレーキユニットでは3輪から4輪ブレーキへの変更を行い、プロポーショニングバルブとブレーキバランスバーの採用により、前後ブレーキの制動比の調整の自由度を広げ、ドライバーの好みに合わせた調節を可能としました。
ステアリングユニット
駆動制御に関しては、トラクションコントロールシステムとロウンチコントロールシステムの採用により、車両を安全かつ容易に扱うことを可能としました。また、トラクションコントロールシステムにおいては4輪の速度差と車両のヨーレートにより細やかな制御を行います。
エンジン性能
吸排気系の設計の見直しフラットなトルクバンドを実現することによって、ドライバーにより自由な走りを可能としました。
品質
私たちは、車両の性能だけでなく品質の高さにもこだわりました。 以下の努力により、車両性能と品質において高いレベルの製造が可能となっています。その例を以下に挙げます。
カウリング
カウルやシートなど、多くの部品は人間工学に基づいた上で設計しました。3次元CADを用い、美しい流線型のカウルを設計し、非常に官能的で魅力的なカウルに仕上がりました。またアンダーパネルの採用により、レーシングカーとしての外観と性能を兼ね備えたカウリングを実現しています。
CAE
3次元CADでの設計により、部品間の干渉などのトラブルを事前にチェックすることができ、製造時間短縮も実現されました。さらに、設計段階で細かな部品にもFEM解析を繰り返し、さらに繰り返し荷重の生じる部品においては、疲労解析を行うことで高い信頼性を確立しました。さらにデジタルモックアップにより、変更を即座に反映し確認することが可能となりました。
整備・生産性
高いメンテナンス性を保障するため、仕様ボルトやカラーの規格を統一化した。また、工夫した冶具の使用による製作精度の向上により、作業人数2名10分でエンジンの組みつけが可能となりました。さらには作業人数3名100分で車両をアッセンブリすることが可能です。
安全性
ドライバーの安全性を確保するためにHANS Device (Head and Neck Support Device) を採用しました。これによりクラッシュ時におけるドライバーの安全性を確保することが可能となりました。また、インパクトアテニュエーターにおいては数種類のテストモデルを作成し、試験を行い計算上だけでなく結果を用いることにより高い信頼性を確保することを実現しました。
2008年度マシン紹介